それは、出張に出る２日前のことだった。
出張の前日に断水になる予定だったので
この日に
済ませてしまおうと思ったら…
お隣のＩさんが、
エレベーターに閉じ込められてしまった。
Ｉさんは、おばあちゃんで
少し耳が遠いので
エレベーターの鉄のドアを通すと
男性の低くくぐもった声が
聞こえにくいらしい。
管理人さんが話かけても
この建物で一番力の強い
Ｊさんが話かけても
まったく聞こえなかったのだが
私が、声を張り上げて話しかけると
返事をするので
エレベータの会社の人がくるまで
管理人さんやら、他の人が
なんだー、かんだー言うことを
声を張り上げて通訳していた。
しかし
本当は、そんなことをしている暇はなかったので
エレベーターの会社の人が来たら
「今から、出れるからね！！」
と、告げ
さっさと、退散してしまったので
実は、Ｉさんがエレベーターから出て来たところは
見ていなかった。
Ｉさんが無事に救出されたのはよかったのだが
この事件で困ったことが一つ起きた。
我が家の建物は、
他の多くのニューヨークの建物と同じで
洗濯室が地下にある構造である。
しかも、この建物の地下室には
エレベーターでしか行けない構造になっている。
つまり、エレベーターが止まってしまったので
洗濯ができなくなってしまったのである。
洗濯室にいけるようになったのは
次の日の断水が始まった後。
断水は、午後五時には終わったけれど
断水の直後に洗濯なんかしたら
洗濯物が赤水で染まってしまうので
結局、出張前に洗濯をすることができなかった。
出張の当日の早朝６時半。
庭に水をまいていたら
お隣のＩさんが、やってきて
私をしっかりと抱きしめて言った。
「命を救ってくれてありがとう。」
Ｉさんは、目をうるうるさせながら
黄色いバラの鉢植えをプレゼントしてくれた。
なんのことやら？
と思ったら
どうも、エレベーターの中にいる間
まったく、男性の声が聞こえていなくて
私の声だけがしていたので
私が、一人ですべてを解決して
エレベーターの会社の人を呼んだと
大きな勘違いをしていたらしい。
ということで。
オットよ。
私の出張中に、
きれいなパンツが足りなくなる予定ですが
Ｉさんにいただいた
黄色いバラを眺めて
我慢していてください。
6 件のコメント:
黄色いバラと、たまったパンツ。
マダムＨの奥様。
奥様も、是非黄色いバラを…
夫の友人は学生時代、合宿で、パンツ1枚を前後表裏の４通りで穿いて、４日もたせたそうです。
参考まで・・・。
お隣のＩさんは補聴器使用？ 普通、ご老人は高音域の
難聴から始まりますので。古い補聴器だと、低音域が
不得意なこともありますが...
Tabithaさんの声が、レーザーのように鋭いのかも、
知れません。壁も透過している可能性も...
>洗濯室が地下にある構造である。
上から放り込むタイプの洗濯機ですか。うらやましい。
イギリスは、キッチン据え付けるので、横から入れる
タイプになります。大学寮だと洗濯室なので、上からの
こともあります。
私のところの横から入れるタイプの洗濯機は、経年変化で、
部品代の方が新規購入より高いので、来週中ごろに、
新しいのを据付けに来てくれますが、それまで、
コインランドリーに通いが続きます。
カプメイさま
上のコメントのマダムＨのご主人と
我が家のオットは、
（特に夏の間）パンツを１日に何枚も履き替えて
洗濯物を増やすのが仕事なので
是非、ご主人の友人の爪の垢を煎じて飲ませたいです。 笑
現役Lecturerさま
補聴器は使っていませんね。
高い音、低い音というより、管理人さんの声は
もともと、くぐもっていて聞こえにくいので
聞こえにくかったのでしょう。
洗濯機、
こちらは、新しいコンドー等は部屋についているところも多いですが
昔からの建物は、地下が洗濯室になっているところが多いです。
（洗濯室がない建物もあります）
戦前からあるような建物は、
洗濯機を部屋に置けないルールになっている建物が多いのです。
洗濯機のタイプは、どこに置いてあるかはあまり関係なく…
上から入れるタイプも、横から入れるタイプも、両方あります。
最近は、横入れタイプが増えていますが
ここの地下室は、両方のタイプが設置されているので
洗濯物によって、使い分けています。
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