2014年6月27日金曜日

国税局の思ひ出 その2






これまでのお話は、こちら



トレンチコートの男性達は

オットと握手をすると

私に手を差し出した。

「来てくださってありがとう、スミス夫人。(仮名)」



握手をしつつ、私の全身には鳥肌が立ち、

心臓がばくばくしていた。



私は、オットがくる事を

D氏には告げていなかったのだ。



けれども、D氏は、

オットが来ていることに驚かなかったどころか

オットの顔も、私の顔も知っていたのである。



D氏というのは一体誰なのか。



D氏とそのパートナーだという人物は

国税局の捜査官であるというバッヂを取り出して

私達に見せた。



テレビの中では、捜査官がバッヂを見せると

水戸黄門の印籠のような効果を発揮して

それを見た人物は、反応をするのだけれど

それが本物のバッヂかどうかなんて、

ちらっと見ただけではわからないし

大体じっくり見たって、素人にはわかるはずがない。



100歩譲って、彼らが本物の捜査官だったとして、

家ではなく、外で会ってもいいと言ったところをみると

切羽詰った強制捜査ではないのだろう。

私は脱税はしていなかったし、潔白のはずである。

それでも、あまりの不安に

心臓が、喉にひっかかっているような気分だった。



D氏はゆっくり話し出した。

「○○年から○○年にかけて、アッパーウェストサイドの

 ◆丁目の◆番地のアパートに住んでいましたね。」

D氏は、私に家賃をどのように支払っていたか、

大家に会った事があるか等々の

いくつもの質問をした。



そのアパートは、学生時代に

友人と2人で借りて住んでいたアパートだった。

私は、家賃は小切手で払っていたこと、

大家とは、1度会ったことある事など

時々、オットの顔を見ながら、ゆっくり説明した。



つづく。



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全然関係ないクラゲ電灯。


2014年6月26日木曜日

国税局の思ひ出。






少し前に国税局を語る詐欺から電話があったことを書いた。

詐欺防止(?)等のサイトを見ると

国税局から電話がかかってくることはないので

国税局から直接電話があったら、詐欺だと思え

のようなことが書いてある。



しかし、私は以前

国税局から直接電話を受け取ったことがある。



それは、10年程前のことだった。



銀座の交差点を歩いていたら

携帯電話に、アメリカのオットから電話があり

国税局から私宛に電話があったので

今、日本にいると伝えたら

帰国し次第連絡をするよう言われたという。



不安でいっぱいになりながらアメリカに帰国すると

すぐに向こうから電話があった。



国税局の捜査官のD氏が、

今から家に来るという。



その日はオットは仕事で家におらず

国税局とはいえ

知らない人物を家にあげるのは嫌だったので

近所のスターバックスで会いましょうと答えた。

D氏が快諾したので、電話を切ったが

それでもやっぱり不安である。



オットに電話をして、スターバックスまで来れるか聞いたら

仕事が忙しいので、家の近所のスターバックスは無理だが

会社の入っているビルの1階のスターバックスだったら

時間が取れるというので、

私は折り返しD氏に電話をし、

場所を変えたいと申し出た。

理由も何も告げなかったが

D氏は、簡単にそこでいいですよというので

1時間後に、そのスターバックスで会う事にした。



1時間後、オットの会社の前でオットと落合い

一緒にスターバックスまで行った。

私は、鞄から何かを取り出そうとしていたので

少し、オットから遅れて歩いていて

ドアを開けて、最初にスターバックスに入って行ったのは

オットだった。



オットがスターバックスに入って行くと…



ドアの正面に座っていた

テレビドラマみたいなトレンチコートを着た

2人の男性が立ち上がり、

手をオットに差し伸ばして言った。



「こんにちは、ジョン・スミス(オットの仮名)さん。」



つづく。



父の生家のお茶の間でコーヒーを飲む人々。
これは、日本のスターバックス


2014年6月25日水曜日

もーにんぐ。






名古屋でモーニングをしようということになった。



名古屋の喫茶店では、コーヒーを頼むと

コーヒーの値段で、

朝はモーニング(普通はトーストとたまごくらい)

昼間はピーナッツ等ちょっとしたお茶請け(?)がついてくる。



私は名古屋に住んでいたけれど

当時は喫茶店に行くような年齢ではなかったので

このモーニング文化というのをあまり知らない。



ということで、

本当は豪華なモーニングのお店に行ってみたかったのだけれど

諸事情があって、駅の近所にしかいけなかったので

ふつーのモーニングの店に行った。



最初はモーニングセットを頼もうと思ったのだが

時差ぼけのせいで、朝からやたらと空腹だったのと

トーストについてくるという

マーガリンやら、妙に赤いイチゴジャムが

あまり魅力的に思えなかったので

モーニングはやめて、

サンドイッチとコーヒーを頼んだ。



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サンドイッチを頼んだのに

コーヒーにお茶請けがついていたのは

それほど驚きはしなかったのだが



サンドイッチを頼んだのに

ウェイトレスさんに

「モーニングおつけしますか〜?」

と、聞かれたのには驚いた。



もしかしたら、

サンドイッチとトーストとタマゴを食べる人というのが

いるのかもしれないと、きょろきょろしてしまったが

タダのモーニングがあるというのに

朝から、わざわざお金を払って

サンドイッチを頼んでいるような変人は

私ぐらいしかいなかった。





2014年6月20日金曜日

成田空港にて







お子様ランチに対して…

おとな様ランチというものが存在するということは…


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つまり…





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成人喫煙者用があるということは…

子供喫煙者用も、どこかにあると…

いうことでしょうか。




2014年6月13日金曜日

国税局。





昨日の事。



国税局のアーロン・トンプソン氏

という人物から電話があった。



トンプソンというイギリス的な名前にしては

どうも中央アジア訛りが強いなとは思ったが

100%日本語訛りのイギリス名の人物もいるので

まあ、そんなもんかな、と流し

「ご用件は何でしょう?」と聞いた。



心にやましいことがなくても

国税局からの電話というものは

気分の良いものではない。



イヤ〜な予感を感じながら耳をすますと

トンプソン氏は言った。

「脱税の容疑であなたに逮捕状が出ています。

 身に覚えがありますね。」



身に覚えも何も、私は、

税金は会計士に任せきっていて

ホトンド関与していない。



「会計士には委任状を書いていて

 国税局とのやりとりは全部任せているので

 会計士に電話させます。」と言うと

「すでに逮捕状の用意ができているこの段階では

 本人か弁護士以外は受け付けない。」と言う。



脱税ったって、色々あるので

詳しい容疑は何なのか説明してくれと言うと

「これから説明するので、

 説明が終わるまで途中で口を挟んではいけない。」

と言われた。



トンプソン氏によると

私が2008年と2009年に

払った税金が、捜査の結果少なすぎると

判断され、脱税容疑が確定したんだそうだ。



しかも、再三に渡る警告を無視し

悪意があるものと判断されるということらしい。



「警告なんて受け取っていない」言うと

○月×日、警告状送付を無視。

○月×日、ヘザー・スミス捜査官が自宅訪問するが無視。

○月×日、 ○月×日、 ○月×日、電話を無視。

と、非常に具体的な日付を告げられた。



トンプソン氏は続けた。

「あなたに与えられた時間は45分だ。」

45分って言ったって

もう、夕方の6時半を回っていて

会計士も弁護士も連絡がつくかどうかわからない。



「今の次点では何もできないから

 明日の朝まで期限を伸ばしてくれ。」と言うと

「最後通告なので、できない。」と言う。



「じゃあ、どうすればいいんだ。

 今夜、刑務所で過ごせということか?」

と言うと、

「現地に向かっている捜査官と

 話しをするので、待て。」と言う。



数分待たされたあと

捜査官という人物が電話に加わり、

「前科がないので、

 協力をする姿勢があればよい。」と言う。



「協力って、何ですか

 脱税分と遅延金払えということか」

と聞くと、そうだと言う。



国税局にしては、どうも何だか変だと思ったので、

「財務省宛に小切手を翌日配達の宅配便で送りますよ。」

と言ってみた。



そうすると、銀行がどうのこうの

現金がどうのこうのと言い出す。

しかしその時点で、時は既に午後7時。

私の銀行が閉まるのは午後7時である。



「払う気は満々であるが、銀行が閉まってしまったので

 ザンネンだが今日は無理だ。」と言うと

先ほどまで、最後通告で45分と言っていたのに

コロッと態度が変わって

「明日の朝イチに電話してもいいよ。」と言われた。



「会計士に電話してから、電話するので

 9時半でもいいか?」

と聞いたら、

 「8時じゃないとダメ。」と言う。



電話を切ってから

会計士に事の次第のEメールを送り、

国税局のサイトを覗くと

国税局は、朝7時から電話を受け付けているとあったので

朝イチで国税局に直接電話をして

一応、自分の脱税容疑の有無を確かめることにした。



夜中近くになって、

会計士から、

「これは詐欺であるから、これ以上関わらないように。」

という返事が来た。

しかも、この詐欺の話の相談があったのは、

本日2回目ということだった。



ネットで調べて見ると

この手の詐欺は昨年末から頻繁に起こり始め

3月〜4月にかけて被害総額が

100万ドル以上に膨れ上がったようだ。

ここ数日の間にも、また件数が増えているという

ニュースの記事になっていた。



よく考えてみたら、個人の税金は

オットと夫婦合算申告しているので

いきなり私だけに電話があるのは変である。



頭では詐欺だと思っていたので

簡単にお金を払う気はさらさらなかったけれど、

それでも、気が動転して、

自分に100%の確信が持てなかったのは

本当に危ないなあと、つくづく思った。



今朝、

国税局に詐欺を通報した後、

トンプソン氏には電話をせずに

ゆっくり朝ご飯を食べていたら

向こうから、かかってきた。



会計士には、電話を取るなと言われていたのだが

それでは私の腹の虫が収まらない。

思い切り元気よく、

「おっはよー、トンプソンさん!!ねえお元気〜?」と電話を取った。

「昨日は、こっち蒸し暑かったのよー。そちらはよく眠れた?

 今日の朝ご飯は、豆乳とマンゴーのシェークとね、ベーグルなんだけど。」

と、べらべら続けてみる。

(↑よい子は真似をしてはいけません。)



トンプソン氏は、私があまりにもお気楽なのに

少々タジタジして

「あなたと雑談するために電話したんではないんだが…。」

と、口ごもったが

昨日の強い口調をすぐに取り戻し

ネットに書いてあった手口の通り、

支払いを振込か

プリペイド式のクレジットカードでするよう

指示して来た。

ふむふむと、おとなしく会話に付き合った後、

そろそろ飽きてきたので

おもむろに、トンプソン氏の話を遮り、



「ところで。

 私たち、もう5分以上会話をしているわよね。」



と切り出した。

トンプソン氏は、話を遮られた事に怒ったが

私はそのまま続けた。



「この電話、FBIに頼んで盗聴してもらってるんだけど。

 ねえ、今日45分後に逮捕されるのは

 アナタじゃなあい?えへへへ。」



トンプソン氏は、言葉を失い

あっという間に電話を切った。



ちなみに、トンプソンというのは偽名で

国税局によると、その辺に転がっているような

ありとあらゆるふっつーの名前を使うそうである。



私が、受け取った番号は、

202-506-8939であるが

202-506-9505やら

その他の、202-506の番号や

時には、本当の国税局の番号を使って

かけてくるそうである。



また、この詐欺のターゲットの多くは

移民だそうである。



アメリカ在住の日本の皆様、

くれぐれも、お気をつけ遊ばしますよう。


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危うく、かぎづるならぬ、かねづるになるところであった。