2014年6月13日金曜日

国税局。





昨日の事。



国税局のアーロン・トンプソン氏

という人物から電話があった。



トンプソンというイギリス的な名前にしては

どうも中央アジア訛りが強いなとは思ったが

100%日本語訛りのイギリス名の人物もいるので

まあ、そんなもんかな、と流し

「ご用件は何でしょう?」と聞いた。



心にやましいことがなくても

国税局からの電話というものは

気分の良いものではない。



イヤ〜な予感を感じながら耳をすますと

トンプソン氏は言った。

「脱税の容疑であなたに逮捕状が出ています。

 身に覚えがありますね。」



身に覚えも何も、私は、

税金は会計士に任せきっていて

ホトンド関与していない。



「会計士には委任状を書いていて

 国税局とのやりとりは全部任せているので

 会計士に電話させます。」と言うと

「すでに逮捕状の用意ができているこの段階では

 本人か弁護士以外は受け付けない。」と言う。



脱税ったって、色々あるので

詳しい容疑は何なのか説明してくれと言うと

「これから説明するので、

 説明が終わるまで途中で口を挟んではいけない。」

と言われた。



トンプソン氏によると

私が2008年と2009年に

払った税金が、捜査の結果少なすぎると

判断され、脱税容疑が確定したんだそうだ。



しかも、再三に渡る警告を無視し

悪意があるものと判断されるということらしい。



「警告なんて受け取っていない」言うと

○月×日、警告状送付を無視。

○月×日、ヘザー・スミス捜査官が自宅訪問するが無視。

○月×日、 ○月×日、 ○月×日、電話を無視。

と、非常に具体的な日付を告げられた。



トンプソン氏は続けた。

「あなたに与えられた時間は45分だ。」

45分って言ったって

もう、夕方の6時半を回っていて

会計士も弁護士も連絡がつくかどうかわからない。



「今の次点では何もできないから

 明日の朝まで期限を伸ばしてくれ。」と言うと

「最後通告なので、できない。」と言う。



「じゃあ、どうすればいいんだ。

 今夜、刑務所で過ごせということか?」

と言うと、

「現地に向かっている捜査官と

 話しをするので、待て。」と言う。



数分待たされたあと

捜査官という人物が電話に加わり、

「前科がないので、

 協力をする姿勢があればよい。」と言う。



「協力って、何ですか

 脱税分と遅延金払えということか」

と聞くと、そうだと言う。



国税局にしては、どうも何だか変だと思ったので、

「財務省宛に小切手を翌日配達の宅配便で送りますよ。」

と言ってみた。



そうすると、銀行がどうのこうの

現金がどうのこうのと言い出す。

しかしその時点で、時は既に午後7時。

私の銀行が閉まるのは午後7時である。



「払う気は満々であるが、銀行が閉まってしまったので

 ザンネンだが今日は無理だ。」と言うと

先ほどまで、最後通告で45分と言っていたのに

コロッと態度が変わって

「明日の朝イチに電話してもいいよ。」と言われた。



「会計士に電話してから、電話するので

 9時半でもいいか?」

と聞いたら、

 「8時じゃないとダメ。」と言う。



電話を切ってから

会計士に事の次第のEメールを送り、

国税局のサイトを覗くと

国税局は、朝7時から電話を受け付けているとあったので

朝イチで国税局に直接電話をして

一応、自分の脱税容疑の有無を確かめることにした。



夜中近くになって、

会計士から、

「これは詐欺であるから、これ以上関わらないように。」

という返事が来た。

しかも、この詐欺の話の相談があったのは、

本日2回目ということだった。



ネットで調べて見ると

この手の詐欺は昨年末から頻繁に起こり始め

3月〜4月にかけて被害総額が

100万ドル以上に膨れ上がったようだ。

ここ数日の間にも、また件数が増えているという

ニュースの記事になっていた。



よく考えてみたら、個人の税金は

オットと夫婦合算申告しているので

いきなり私だけに電話があるのは変である。



頭では詐欺だと思っていたので

簡単にお金を払う気はさらさらなかったけれど、

それでも、気が動転して、

自分に100%の確信が持てなかったのは

本当に危ないなあと、つくづく思った。



今朝、

国税局に詐欺を通報した後、

トンプソン氏には電話をせずに

ゆっくり朝ご飯を食べていたら

向こうから、かかってきた。



会計士には、電話を取るなと言われていたのだが

それでは私の腹の虫が収まらない。

思い切り元気よく、

「おっはよー、トンプソンさん!!ねえお元気〜?」と電話を取った。

「昨日は、こっち蒸し暑かったのよー。そちらはよく眠れた?

 今日の朝ご飯は、豆乳とマンゴーのシェークとね、ベーグルなんだけど。」

と、べらべら続けてみる。

(↑よい子は真似をしてはいけません。)



トンプソン氏は、私があまりにもお気楽なのに

少々タジタジして

「あなたと雑談するために電話したんではないんだが…。」

と、口ごもったが

昨日の強い口調をすぐに取り戻し

ネットに書いてあった手口の通り、

支払いを振込か

プリペイド式のクレジットカードでするよう

指示して来た。

ふむふむと、おとなしく会話に付き合った後、

そろそろ飽きてきたので

おもむろに、トンプソン氏の話を遮り、



「ところで。

 私たち、もう5分以上会話をしているわよね。」



と切り出した。

トンプソン氏は、話を遮られた事に怒ったが

私はそのまま続けた。



「この電話、FBIに頼んで盗聴してもらってるんだけど。

 ねえ、今日45分後に逮捕されるのは

 アナタじゃなあい?えへへへ。」



トンプソン氏は、言葉を失い

あっという間に電話を切った。



ちなみに、トンプソンというのは偽名で

国税局によると、その辺に転がっているような

ありとあらゆるふっつーの名前を使うそうである。



私が、受け取った番号は、

202-506-8939であるが

202-506-9505やら

その他の、202-506の番号や

時には、本当の国税局の番号を使って

かけてくるそうである。



また、この詐欺のターゲットの多くは

移民だそうである。



アメリカ在住の日本の皆様、

くれぐれも、お気をつけ遊ばしますよう。


IMAG0683.jpg




危うく、かぎづるならぬ、かねづるになるところであった。

8 件のコメント:

カプメイ@鷺ならOK さんのコメント...

税務職員を名乗る詐欺が日本でもあります。
未払いの税金を払わないと財産を差し押さえられるんですって。
そちらのは日本のを真似たか、それとも詐欺の考えることは世界共通なのか。
それにしても、相手をからかっちゃだめですよ~。
もし逆恨みされたらどうするんですか。
怖い怖い。

現役lecturer さんのコメント...

イギリスの場合、迷惑メールが多いです。それも、「還付すべき税金がありますので、ご連絡ください。」というネタで。
私の場合、一応、公務員なので、日本と同じ源泉徴収ですので... しっかり、迷惑メールの送り元を調べて、通報しています。

tom☆ さんのコメント...

あ!それっ詐欺じゃね?!ーーーって、すぐ気が付いたんですがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーそれは他人事だからよね?!
どうしてか自分の場合はなかなか気が付かない?でしょ??・・詐欺ってすごいよね。。。★
それでーー;FBIには誰でも(簡単に)盗聴って頼めるモンなんですか??
もしそうなら・・・頼んでみたいーー♪☆
 

Tabitha さんのコメント...

カプメイ様

うふふ。良い子は真似をしてはいけません。 笑

Tabitha さんのコメント...

現役lecturerさま

その手の迷惑メール、こちらも多いです。
だいたい、スパムメールボックスに行ってしまうので
最近は全然目にしていませんが。


Tabitha さんのコメント...

tom☆ さま

そうそう、人ごとだと、すぐ気づくんですよね。
自分だと、頭ではこれは詐欺だなと思っていても
ひょっとしたら、何かあるかもしれないと
自分を疑ってしまうのですよねぇー。

怖い怖い。

今回のFBIの盗聴の件は、もちろん大ウソです。
目には目を、ウソにはウソを。
わはは。


ぽてと さんのコメント...

日本だけじゃないんですね~~。
最近は何やらの還付金という手口が多いけど、1番多いのがやはりおれおれ詐欺のようです。
自分は絶対ひっかからないと豪語している人たちが、騙されちゃうんだから、巧妙な心理作戦を使うみたい・・。
それをきくと、騙されない自信が私にはないです。

今日、銀行のATMに行きました。
待っている間、娘に連絡しようとしたら、
中での携帯電話の使用は、振り込め詐欺防止のため、禁止になっていました(笑)
あらら・・

Tabitha さんのコメント...

ぽてとさま

こちらは、息子を語るオレオレ詐欺の話よりも
電話料金を使い込んでるので払えとか
そういう詐欺が多いような気がします。
方言やアクセントが色々ありすぎるので
息子を語るのが難しいのかも…?