2014年6月27日金曜日

国税局の思ひ出 その2






これまでのお話は、こちら



トレンチコートの男性達は

オットと握手をすると

私に手を差し出した。

「来てくださってありがとう、スミス夫人。(仮名)」



握手をしつつ、私の全身には鳥肌が立ち、

心臓がばくばくしていた。



私は、オットがくる事を

D氏には告げていなかったのだ。



けれども、D氏は、

オットが来ていることに驚かなかったどころか

オットの顔も、私の顔も知っていたのである。



D氏というのは一体誰なのか。



D氏とそのパートナーだという人物は

国税局の捜査官であるというバッヂを取り出して

私達に見せた。



テレビの中では、捜査官がバッヂを見せると

水戸黄門の印籠のような効果を発揮して

それを見た人物は、反応をするのだけれど

それが本物のバッヂかどうかなんて、

ちらっと見ただけではわからないし

大体じっくり見たって、素人にはわかるはずがない。



100歩譲って、彼らが本物の捜査官だったとして、

家ではなく、外で会ってもいいと言ったところをみると

切羽詰った強制捜査ではないのだろう。

私は脱税はしていなかったし、潔白のはずである。

それでも、あまりの不安に

心臓が、喉にひっかかっているような気分だった。



D氏はゆっくり話し出した。

「○○年から○○年にかけて、アッパーウェストサイドの

 ◆丁目の◆番地のアパートに住んでいましたね。」

D氏は、私に家賃をどのように支払っていたか、

大家に会った事があるか等々の

いくつもの質問をした。



そのアパートは、学生時代に

友人と2人で借りて住んでいたアパートだった。

私は、家賃は小切手で払っていたこと、

大家とは、1度会ったことある事など

時々、オットの顔を見ながら、ゆっくり説明した。



つづく。



IMAG0255.jpg

全然関係ないクラゲ電灯。


8 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

つづく。

・・・・・・いやんっ。

Tabitha さんのコメント...

匿名さま

つづく。

カプメイ さんのコメント...

やっぱりオットさんとトレンチはグルだ!
怖いですね~~~。
続き、早くぅ~~~~。

現役lecturer さんのコメント...

その大家さんは、詰めが甘かったようで... イギリスだと脱税目的で、「支払いは毎月末に現金で」とやっている学生相手の下宿が多いです。
チェックだと、銀行口座に入れる必要があるので、証拠が残りますから...

Tabitha さんのコメント...

カプメイさま

やっぱり、グルですか。

Tabitha さんのコメント...

現役Lecturer さま

ところがどっこい。
アメリカには、
小切手を現金化する場所が
あるんですよー。

ぽてと さんのコメント...

おお、続いてる・・・
大家さんの脱税容疑らしいと少し安心したが、違う?
何故、旦那様まで知っているのか謎ですが~~
あ~そうなの?トレンチとグルで?
いや~ん。

Tabitha さんのコメント...

ポテトさま

そうそう。何故オットの顔を一発でわかったのか。
ものすごく気味悪いですよね。