ずいぶん前に、
「ひし餅って何だろう」という日記を書いた。
ひなまつりでは、菱餅がつきものだというのに
私の家では、プラスチックの餅を飾るだけで
実際に食べたことがなかったのだ。
私の友人が食べた事のある菱餅は
菱型の
ゼリーだったり、
おこしだったり
ういろうだったり。
コメントを残してくださった人々も
菱餅は、ただのお餅だったという方が多かった。
私の知っている日本人に関して言えば
誰も、菱の実を使った菱餅というものを
食べたことがないのである。
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先週のことだ。
香港出身の友人のFちゃんとランチをして
帰りに中華のお菓子屋さんに寄った。
そこで、Fちゃんが、
これおいしいから試してみたら?
と勧めてくれたものは…
菱粉糕つまり、菱の粉で作った羊羹のようなものだった。
そしてこの菱の粉で作ったお菓子は、菱形だったんである。
食感は、ぶりんぶりんと弾力のある
柔らかめのういろうのような感じで
味は、黒糖の味がした。
中国では、菱粉で他にどんなお菓子を作ってるのだろうと
家に帰って中国語のサイトをいろいろ検索していたら、
こんなものが出てきた。層の数はちょっと多いものの
↑ これはまさに菱餅ではないか。
さらに検索していたら
上巳節という中国の旧暦の3月3日のお祭りには
伝統的には層状になった餅を食べていたが
最近では層状にしない
菱粉または馬蹄粉のお餅を食べることが多い
と書かれたサイトも出てきた。
日本のひなまつりは、中国や韓国の
上巳節を起源として
日本独自のものとして発展したお祭りだ。
日本のウィキペディアや、その他の日本のサイトには
日本の菱餅の由来として、全く違う説明が書いてあるし、
私の中国語の読みは
ものすごーーーーくいい加減なので、
まったく確証はないけれど
いろいろなサイトを見た後
たぶん、中国の上巳節の食べ物だったこのお菓子が
上巳節の風習とともに日本に伝わったのだろうな
と思った。
ちなみに現在、菱粉と呼ばれるものを買うと
タピオカの粉で作った代用品が多いそうで
日本で売られている片栗粉 が現在では
バレイショで代用されているのと同じ現象である。
12 件のコメント:
あぁぁ こんなの!
チャイナタウンのベーカリーでみたことある~
ほぅほぅ これが菱の実のお餅の現在形なんだ~
うんうん、段々になってるものあるよね~
へぇぇぇ ほぉぉぉ なるほど~
菱の実、中華系スーパーで買ってる人を見ると
『あの人忍者だ!正体見たり!』って密かに思っていたけど
お菓子作ってる人かもしれないのか~
なるほど~
色味からDobostortaを思い出しちゃいました。
私も菱餅は食べた記憶がありません。
もっぱら雛あられ。
http://allabout.co.jp/gm/gc/220647/
に上巳節との関連が出てました。
それにしても、上巳節って読めませんでしたよ。
あぁ、無学。orz
くま子さま
そうそう。
段々になってるのあるよねー。
でも、菱の粉のお菓子って知るまで
菱餅って思いもしませんでしたー。
あの、恐ろしい物体から
最初にこういうお菓子を作った人
すごいなーっと思います。
カプメイ様
あははー。カプメイ様ご紹介のサイトがまさに
私と違う意見を書いているサイトでーす。 笑
このサイトに出てくるハハコグサの餅は、中国語で
鼠麴粿っていうんですけれど
(地方によって呼び方が違うかもしれない)
鼠麴粿は、清明節の食べ物という説明で
菱ではなくお米で出来ています。 参照↓
http://m.xuite.net/blog/tkfalysw/blog/22446488
ちなみに…
「上巳節」は、(旧暦の)3月3日なんですけれど
同じ時期に、「寒食節」と「清明節」というのもあって
旧暦の3月3日頃は、
その3つのお祭りを一緒に混ぜたお祝いをするみたいなので
鼠麴粿が、その季節のお菓子であることは
間違いありません。
でも、日本の菱餅の起源は、鼠麴粿ではなく
菱で出来ていて、段々になっている
菱粉のお菓子の方だと、私は思うのですが
いかがでしょうか?
私もサクッとweb翻訳でいろいろ見てみたんで、確かなところではないですが、
上巳節は古代中国から伝わり、
桃の節句は平安時代以前とあります。
平安時代は794年~1185年(1192年頃)なので、700年代ぐらいからなのでしょう。
菱粉糕は清王朝南方が起源のようです。
清王朝は1636年~1912年です。
菱は水草で学名がTrapa japonica Flerovなので原産地だと思われます。
というわけで、中国の菱粉のお菓子は逆輸入の最近のお菓子なのではないでしょうか。
カプメイさま
なるほど〜
日本の菱は、Trapa japonica というのですねー。
英語の文献を見ていると
菱は、ヨーロッパとアジア、アフリカにもあって
いろいろ種類があり各地で食べられているみたいですが
Trapa natans という種類がよくでてきます。
インドや中国では
少なくとも3000年前から食べられており
中国の周で、お供え物として使っていたとの
記録も残っているようです。
なので、やっぱり中国起源の方が有力かなと
私は、勝手に思っています。
ヨーロッパでは、菱は19世紀後半に
絶滅の危機に陥ってしまったそうなのですが
それまでは、イタリアでも食べていたらしく
ドイツでは、先史時代にかなり食べていた形跡があると
書かれていました。
ヨーロッパでは絶滅の危機なのですが
ここアメリカは、侵入種で
増えて増えて困っているみたいです…。
日本では、父が子供の頃に田舎に行った時に
採って食べたと言っていましたが
私は見たことがないので、
ヨーロッパのように減ってしまったのかしらん?
きゃ~素晴らしい!
コメントノやり取りでお勉強させていただきました。
忍者が撒くマキビシというのが、ヒシの実らしいと知っていましたが・・
とげとげで踏むと痛いらしいけど、それが食べられる実であるとは想像もしていなかったです。
アイヌの人たちが食べていたらしいなんて、検索して分りました。
北海道の東部の湖沼をよくキャンプして回っていましたから、もしかしたら、水草とばかり思って、知らずに菱を見てたのかも~~。
菱型のお餅で菱の粉からできている、間違いなくお雛様の菱餅はそれだと思います!!
ぽてとさま
おお。アイヌの人々も食べていたんですねぇ。
ニューヨーク州でも、菱が侵入していて
困っているらしく。
ハイキングに行った時に
池の上に水草が広がっているのを見た記憶はあるので
私も、全然知らずに菱を見ていたのかもしれませーん。
Trapa natansはオニビシ(鬼菱)みたいですね。
日本の菱は棘が2本で、オニビシとヒメビシは4本あるってことで、
巻き菱にはオニビシを使うってありました。
菱型が4角なのを考えると、やっぱりオニビシ起源ですかねぇ。
菱だけで、こないに勉強することになるとは!
恐るべし、モチモチの世界。(笑)
カプメイさま
おお、Trapa natans はオニビシなのですか〜。
中華街で見るのは、かなり怖い形相なのです。
確かに鬼!!って顔していて、
裸足で踏んだらむちゃくちゃ痛そうです。
いやあ、菱、奥深いですね〜!!
いっぱい勉強させていただきましたー。
菱のみのお餅なんて知らなかったです。確かに菱で作った菱型の餅!中国起源ぽいですねー。
茹でたての菱の実はとても美味しかった覚えだけ。日本の収穫時期は確か10月。きっと干して粉にしたのですね。溜め池を見ると、何とかしてあの菱を手に入れられないものかと思う食いしん坊。難しいです。
ぷろとん
菱角粉という粉が売られているのですー。
粉にしていないものも
こちらのスーパーで売っているのは
もともと干したものだけで
生の菱の実が売られているのは見た事ありましぇん。
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