2015年8月1日土曜日

ニューヨークなライブ2本。





去年だったか、その前だったか

ラジオでジャズを聴いていたら

ちょっといいなという演奏がかかったので

検索したら…



子供だった。



ジョーイ・アレクサンダーという

インドネシア人の少年で

へぇ。天才児か。すごいなぁ。と思ったけれど

インドネシアなので

ライブを聴く機会もないだろうと思い

しばらく、そのことを忘れていた。



ところが、数日前、

近所のジャズクラブに来ちゃったんである。

ということで

もちろん聴きに行ってきた。



ひょろひょろっとちっこくて

歳よりもずっと幼く見える彼は

技量がすばらしいのはもちろんのこと

複雑な作曲もすばらしいし

曲の崩し方、アレンジの方法や

バンドの他のメンバーとの掛け合いや

情のいれ方など、

目を瞑って聞いていれば

まるで40歳過ぎた脂ののったジャズマンみたいな

そんな弾き方をする。



クラシックで技術が、ずば抜けてすばらしい天才児や

ジャズでも、ソロ演奏がうまい天才児は

結構そこらへんで見るけれど

その多くは、初々しいというか、

キンキンと尖った感じで

味が出てくるのは、もうちょっと歳を取ってからのことが多い。



けれどもこの彼は、12歳になったばかりなのに

脂がのっていて、味があって、演奏を楽しんじゃっていて

他のバンドマンとの掛け合いが絶妙なのだ。



そんな演奏を見せつけた途中で

メンバーと曲の紹介のためにマイクを持ったら

恥ずかしげな、ちょっとたどたどしい子供の話し方だった。

しかも、途中で熱くなってジャケットを脱いだら

裏返しのままぽいっと、床に置いちゃうところも

本当にあどけない少年のままだった。



ベースとドラムの奏者は、

プロの大人のジャズマンだが

彼が、恥ずかしげにしゃべっている間

素知らぬ顔をしている。

バンドのリーダーなんだから当然、と

完全に大人扱いなのだろう。



これから成長して

手が大きくなったり、

いろいろな人生経験を重ねてたりして

弾き方が変わっていくのが楽しみな人材である。



去年インドネシアから、

ニューヨークに引っ越したらしいけれど

この街で潰れないで、楽しんで弾き続けて欲しい。



********



私が、上記のライブを見に行った次の日に

友人が、U2のトリュビュートバンド(カバーバンド)

のライブを見に行った。



実物のU2がニューヨークに来て

マジソンスクエアガーデン

8日間の公演を行っていたのだが

それを見に行けないファンたちが

コンサートホールからほど近い小さなライブハウスで

トリビュートバンドのライブで盛り上がっていたのだ。



私も誘われたけれど行かなかったので

次の日に、どうだったー?

と友人に聞いたら、

それはそれは大興奮している。



ライブの途中で、

誰かがステージに来てバンドメンバーに耳打ちをしたら

2人の人間がステージにあがってきたのだそうだ。



誰かと思ったら、

なんと

本物のU2のメンバーの2人が

カバーバンドのライブに来ちゃったんである。



しかも、飛び入り参加で2曲も弾いちゃって

カバーバンドのギターにサインをして

去っていったという。



小さなライブハウスなので

マジソンスクエアなんかよりも

ずっと間近に演奏を見れて

カバーバンドのメンバーもファンも

それはそれは大興奮だったそうだ。



本物のメンバーが

トリビュートバンドのコンサートに突然現れて

しかも、演奏しちゃうという

この素晴らしさ。




Empirestate2



だからニューヨークはやめられない。







4 件のコメント:

カプメイ さんのコメント...

ひょえーーーーーーっ!\(◎o◎)/!
U2の方、Oh my god!ばっかり聞こえますね。
そりゃそうだ。びっくりしますよねぇ、

その昔、五嶋みどりがNYフィルと共演した時も凄かったけど、
子供でも才能ある人に対しての正当な評価ってのが出来る国(街)ですよね。
そういうとこ、絶対に日本はダメダメ。島国根性なのかなぁ。

五嶋みどりも成長するにつれ、いろいろな苦労があったようですが、
この少年も苦労があっても乗り越えて、さらに才能を大輪に咲かせられるアーティストになってほしいです。
日本に来ないかな~。

Tabitha さんのコメント...

カプメイ さま

U2、もう、ひょえええーーーーだったみたいです。
ものすごいもの、逃しちゃったよ!って
なんども言われちゃいました。 ふはは。

ジョーイ君は、
ほぼ弾きっぱなしの1時間半のセッション
2回こなして夜11時過ぎにあがり。
完全に大人扱いでしたが…
トークの時には、あまりにもかわいいので
観客がみんな
おじーちゃん、おばーちゃんの目になってました。 笑

日本は、今は一律ってかんじですけれど…
明治時代以前には、
頭角を表す子供を伸ばすこと
してたと思うんですよ。
なんとか捨松とか津田梅子を留学させちゃったりとか。

ぽてと さんのコメント...

天才と言われる子供は沢山いるけど、この子は一味違いそうですね。

子供なのにお酒の味が分るような・・
人生の経験を積んだ大人が持つ魅力を、演奏の中に持っているのですね。
彼にイカされてしまっているドラム奏者の表情が、この子の凄さを感じました。

手の届かない憧れの人が、手の届くようなところに現れた。
お友達は狂喜したでしょう。
たびささんと興奮を共有したかったのでしょうね~残念!

Tabitha さんのコメント...

ぽてと さま

そうそう、そうなんです。
本当にお酒の味がわかってるような
人生の酸いも甘いも知ってるような
そんな不思議な感じがするんです。
色々な人と共演しているんですが
それぞれの人との掛け合いがすごいなと思います。

友人には、
あのコンサートに行かなかったなんて!
と、一生言われそうな雰囲気です。 あはは。