2012年9月27日木曜日

パーン(ビンロウ/キンマ)初体験。





昨日、仕事関係のパーティに出た帰り

一緒に歩いていたSさんが

「パーン試したことある?」

と言った。



パーン(Paan)とは、

私が何だろう、何だろう、と

ずーーーーーーーーーーーーーーっと思っていながら

一度も試したことのない物体で

ニューヨークでは

パキスタン/インド人街で見かけるものである。



日本では、ビンロウとかキンマとか呼ばれているもので

何かを葉っぱにつつんで、

くちゃくちゃ…ぺ。

とするもの、ということしか知らなかったのだが

売っているのも買っているのも

おっちゃんばかりだし、

言葉も通じないし(ウルドゥ語が多い)

何といってもあやしげなので

今まで一度も試したことがなかった。



それを、小柄で愛くるしいSさん(女性)が

「試したことないなら今日やろうか?

 半分こしよう!」

なーんていうんである。



ということで、

パーンショップ、初潜入。



じゃーん。


IMAG1800




↑ これは、私達の前にいた

パキスタン人のおっちゃんが頼んだパーンを

製作中の図。



Sさんは、お店のおじさんと何やら交渉を始める。

「あんまり、甘すぎるの好きじゃないから

中身が少ないのがいいわ。

そのくらい少ないやつ。そういうのが欲しい。」

そういって、Sさんが上の写真のパーンを指差したら…

お店のおじさんが言った。



「それは、プロ用。あんたたち用じゃないよ。」



プロって、何のプロなの?

と、思わず突っ込んでしまったが



プロ用のパーンは、噛みタバコが入っており

くちゃくちゃ、ぺ をするのだが

女の子(注:おじさんの言葉)は、

邪道な甘いパーン(sweet paan または meetha paan)を

おいしく味わうべきなのだ、と

おじさんは、力説する。



甘いパーンは

プロ用パーンとまったく違うもので

おいしいものがいっぱい入っていて

くちゃくちゃ ぺ をせずに

全部まるっと食べちゃえて

消化を助け、健康によいそうである。



Sさんは、かなり不服そうだったが

私は、プロになって

くちゃくちゃ ぺ

を、する気にはならなかったので

アマチュア(?)用のパーンがいいと

言い張った。



私達の番になると、お店のお兄さんが

水が入ったカメの中に放してある

べテル(Betel、日本語でキンマ)の葉っぱを取り…


IMAG1801



切り目を入れて、茎の部分を取り除き…



怪しげな液体を塗って…



IMAG1802



その後…



IMAG1799



ビンロウ(かなりちょっぴり)と、フェンネルの実と、カルダモンと、

色々なドライフルーツの入ったジャムっぽい物体と

ばらの花びらのなんたらと、

お砂糖がかかったフェンネルの実と

その他もろもろ謎の物体を

葉っぱの上に乗っけて…



IMAG1803



最後に、ぱっぱと

ココナツをふりかけて…



IMAG1805



三角に折って、

アルミ箔につつんで

できあがり。



IMAG1807


1個、2ドルなり。



で、この怪しげな物体を

がぶっとかじって

よく噛んで、味わうんである。

(プロ用と違うのでそのまま飲み込む。)



で、お味は。



うーむ。



説明がうまくできない非常に複雑な味である。



葉っぱの部分は渋くて

舌に、しびれたような感じが広がるけれど

甘いジャムっぽい物体やら

カルダモンやらフェンネルが含まれているので

ものすごくイヤな味ではない。

(たぶんそこが、アマチュア用ということなのだろう。)



とにかく、

今まで一度も味わったことのない味としか

説明しようがない。



んでもって、ビンロウは

お酒じゃないけれど(ドラッグでもない)

ちょっと興奮状態になるのだと

どっかに書いてあったのだが…



別に

お酒に酔っ払ったような状態にもならず…

別に、幸せの骨頂のような状態にもならず…



ただ、その後

Sさんと盛り上がったことは盛り上がったので

(まー、いつも盛り上がるのだが)

効果は、なきにしもあらずかな?

という気もする。

(お酒どころか、眠気覚ましのコーヒーもないくらいの効果?)



プロ用のパーンは、口の中が真っ赤になるくらい

ビンロウが入っているし、

噛みタバコも入れるので

アマチュア用の「食べる甘いパーン」とは

全く別物のようである。

(上にも書いたが、甘いものはプロ用のパーンには入れない。)



キライではなかったけれど

別に好きでもなかったので

たぶん、二度と試すことはないだろうが

なかなか興味深いものではあった。



12 件のコメント:

カプメイ@君子危うきに近寄らず さんのコメント...

試したことはありませんが・・・。
台湾の物とはだいぶ形が違いますね
台湾のビンロウは生の実を使うようなので、くるくるっとキンマで包んでいます。
(石灰を入れるようです。)
売ってるのはセクシー系お姉ちゃんだし・・・。
道が赤くペッとなってたら、お店が近くにある証拠なんですよね。
口腔がんなりやすいそうですから、常用しないのが正解。

mom さんのコメント...

謎解明!
そういうことだったのね。

日本でキンマという、ということなので
検索したら、キンマをいれる漆の箱もキンマというそうですね。
茶道具としても用いられたとかで、香川県で作られているとか。

実はイカ爺が元気だった時に
「これはキンマじゃよ」といって
漆の箱を見せてくれたことがあるの。
へ? キンマ なんじゃそりゃあと思った
ものの、たびささんのブログを見るまで忘れていました。
イカ爺の本家は香川だし。

なるほどなるほどです。


tom☆ さんのコメント...

すっげ~( ̄ロ ̄ll)~なんかすっげぇ・・・さっすがNY【奇妙な惑星】..
ちょっとイメージ出来ないし・・・そもそも【ぺ】するってのは?? ダメな感じしちゃう。。
新しいことにはチャレンジ出来そうも無いヘタレ(tom)です。。

ろるる さんのコメント...

飲み込むほうがプロっぽい感じですね^^

日本の仁丹も、今や製造中止で、死語になったのか子どもも知りません。。

暇田くま子 さんのコメント...

きゃ~ たびちゃんたら不良だわ~

18歳のくま子は永遠に踏み入れることのない
オトナの世界を覗き見ました。
おもしろ~い

今度そういう近所に行ったら
ちょっと探しちゃうかも。

とさこ さんのコメント...

某小説で知ったビンロウ、「ビンロウ食べさせて♪」という台詞と、
くちゃくちゃ ぺっ の描写と、”嗜好品”という訳注で、
訳わからなくなっておりましたが(食った後吐き出すって何事かい?)、
は〜、これですっきりしたわ〜
ようやく、あのシーンのイメージが湧いたわ〜
ありがとうございましたー!

んで、ハッカみたいに、すーすーはしないのですか?

Tabitha さんのコメント...

カプメイさま

台湾のものは、たぶん
パキスタンバージョンのプロ用に
似たようなものなのでしょうね。

アマチュア用パーンは、
おいしくいただいて
消化を助ける役目があるので
かなーり、違うみたいです。

Tabitha さんのコメント...

ポコマム様

キンマ、日本は箱だけ伝わってるってのが
なかなか面白いですね。

Tabitha さんのコメント...

Tom☆さま

プロ用を試せなかった私もヘタレです。 笑

最初は、アマチュア用(笑)があるとは知らなかったので
Sさんについていって、匂いをかいで
ちょろっと舐めてみようと思ったのですが。 笑

Tabitha さんのコメント...

ろるるさま

いやいや、飲み込むバージョンに入ってるのは
フルーツとか、フェンネルとか
お子様でも食べられるものばかりですから。 笑

そういえば、仁丹
なつかしいですね。
梅仁丹好きだったんですが。

Tabitha さんのコメント...

くま子さま

えへへ。不良だぞー。ワイルドだぞー。

でも、でもぉ、
おじさんが
これは、女の子(For girls)っていう方を
試したんだけどーっ!! 笑



Tabitha さんのコメント...

とさこさま

すーすーしませーん。

私が食べたアマチュア用は、
プロ用の、くちゃくちゃ ペッ のビンロウとは
味がかなり違うと思うのですが、
プロ用でもすーすーしないことは確か。

アマチュア用は
フェンネルシードと、カルダモンと、ドライフルーツに
渋みと、深みとばらの香りが混じった、よくわからない味ですが
甘いです。

プロ用パーンは、噛みタバコとビンロウ半々くらいを
パーンの葉っぱに包んでいるので
きっと、大人の味なんだと思われます。 笑