ロンドンの市場でうろうろしている時に
ハチミツを売っている店のお兄さんに
話しかけられた。
色々な種類のハチミツは
ニューヨークでもよく見かけるので
さほど珍しいとも思わず
買う気等全然なかったのだが
話しかけられたので、つい立ち止まったら
「楢」と書いてある蜂蜜の瓶に目が停まった。
楢って、どんぐりの楢?と聞くと
そうだと言う。
「へぇ。どんぐりの木のハチミツなんてあるのねぇ。」
と、言うと
お兄さんは、
「こっちは、もみの木だよ。」
と、違う瓶を指差した。
「もみの木って、もみの木って、
クリスマスツリーのもみの木?」
と、聞くと、そうだと言う。
もみの木って、花咲くの?
松かさみたいなのができるけど
あれ、花なの?
あそこに、ハチミツがあるわけ?
やたらと突っ込む私である。
お兄さんは、楢ともみの木をちらつかせて
私をおびき寄せたので、
それを売り込むかのと思いきや、
しなっと話題をかえて、
強行にアカシアのハチミツを勧めてくる。
しかし。
アカシアのハチミツは
アメリカでもよくあるハチミツで珍しくないので
もみの木のハチミツお買い上げ。
(楢も買いたかったが、大きな瓶しかなかったので断念。)
もしかして、クリスマスツリーみたいな香りがするんだろうか
クセがあるんだろうか、なーんて思ってみたけれど
味はハチミツのお味。
クローバーやセージのハチミツの瓶を開けた時のような
濃厚なハチミツの香りはなく
案外あっさりとして食べやすい味であった。