2015年6月12日金曜日

足の展覧会。






ジャパン・ソサエティで、少し前までやっていた

ネコ展(Life of Cats)

オットと一緒に行ってきた。

江戸時代の浮世絵等を中心に

猫の出てくる絵を展示したものである。



最初は一人で見に行こうと思っていたが

オットが「もちろん私も見ます」と言って

ついてきたのだ。



なかなか興味深い絵で

1枚1枚じっくり見ていたら

最初の10枚くらい見た後で、オットが言った。



「靴下を履いてませんよ。全員、履いてません。」



猫のことではない。

浮世絵に描かれている人間のことである。



よく見てみると

確かに、そこまで見た絵に出てきた人間は

全員裸足であった。

その後に出てきた絵も、

下駄や草履を履いている絵はあっても

足袋を履いている絵は本当に少ない。



オットは、初めから

裸足なのが気になってはいたものの

暑いのかな?と考えていたらしい。



しかし、火鉢に寄り添って

かなり寒そうにしているのに

裸足の女性の絵を見て

靴下(足袋)を履いてないのは変だ。

と思ったのだ。



オットに言われるまでは

浮世絵の人物が裸足だろうが、

全然気にならなかったのだが

言われてみて非常に気になったので

昔の人は足袋を履かなかったのだろうか?

と、ちょっとネットを見てみたら…



しっかりとした出典がないものが多く

確かではないのだが

もちろん足袋の原型となるものは昔からあったものの

木綿の足袋が一般庶民に普及したのはかなり後世であったとか

足袋を履いてはいけないような規則があったとか

足袋を履くのは粋ではなかったとか

そんな記述もちょこちょこ見られる。



そういえば。



ニューヨークで見かけるインドの人々の中で

普段から伝統的なサリー等の格好をしている人々

(特に年配の人々)は

裸足に草履を履いて歩いていることが多い。



もちろんマイナス10℃なんて日には

さすがに靴を履いているけれど

私だったら震えあがるような寒い日でも

裸足に草履ですたすた歩いているところを

ちょくちょく見かける。

普段からずっと裸足なので足が強いのだろう。



それと同じように

昔の日本人も、少しくらい寒かろう

普段は、裸足に草履または下駄の生活の人も

多かったのだろうか。



古~い日本の写真にも

寒そうな季節に裸足の写真

かなりあるし

サザエさんだって、初期の頃の漫画は

素足に下駄を履いていることも

多かったように思う。



この展覧会。

もちろん、にゃんこの部分も十分楽しんだのだが

図らずも、

足をマジマジと観察することになったのであった。




image
歌川国貞「竹に雀」(1831年)より (ジャパンソサエティ図録)






4 件のコメント:

カプメイ さんのコメント...

わ~お!国芳だぁ!やっぱり楽しいですねぇ。
リンク先で動くニャンコ、楽しみました。

で、たびささんだけに、足袋に着目ですね。(笑)
私も足袋の歴史を見て、初めて知ることばかりだったのでびっくりしました。
最近買った杉浦日向子さんの漫画(百日紅)でも足の指がよく書き込んである部分とそうでない部分があるので、よく分かりません。
彼女が生きていたら、詳しかったのではないかと思ったりしました。

ぽてと さんのコメント...

おおお!凄い着眼点ですね~~。
確かに私が子供の頃、夏に靴下を履いている子は、いませんでした。
素足に下駄が多く、靴を履く場合も素足で、ゴム長のような素材の短いゴム靴でした。
長靴に対し、短靴(タングツ)と言っていたなぁ。

冬だけは、雪が積もるので、毛糸で編んだ靴下とゴム長靴を履く時代に入っていました。
(毛糸も近所の羊の毛で紡いだ毛糸です)
それでも、小学校頃から布製のズック靴がでてきて、上靴では履いていましたよ。
(木製床はささくれて、素足だとトゲが刺さるのでね)
ズック靴もゴム靴も今のスポーツシューズのようにフィットしていなかったので、走ると脱げます。
で、運動会は運動足袋というのを履きましたが、布製の足袋なので、走り回ると1日持たず、午後には破れてきて足の指が見えてきた(笑)
農作業の大人は、地下足袋という布製だけど底だけゴム底の足袋を履いていました。
勤め人の父は、革靴を履いていましたが、当時、革靴は、底を張り替えしながら20年以上使うのが普通でした。
高校入学のお祝いに、革靴を買ってもらって嬉しく、毎日靴磨きしながら汽車通学でした。

Tabitha さんのコメント...

カプメイ さま

ずばりカプメイさん好みの展覧会でしたよー。
楽しかったです。

足袋の歴史、興味深いですね!
いつか、ちゃんとした出展のある本で
読んでみたいです。

杉浦日向子さん、読んだことありませーん。
おもしろそうですね。
古本屋さんにあるかな…。

Tabitha さんのコメント...

ぽてとさま

貴重な体験のお話ありがとうございます!!

ゴムの短靴、知りませんでした。
思わず検索してしまいました。
http://www.kanazawa-museum.jp/minzoku/exhibit/past_index11.html

運動足袋なんてあったんですね!
父は、戦後は、空襲で焼け出されていたので靴がなく
(父の弟は父のお古を履いていた)
下駄を履いて学校に行っていたので
運動会の日は裸足だったと言っていました。

3年位前にこちらで革のブーツを買ったのですが
本当に昔ながらの伝統的な革のブーツで
靴屋さんに、ちゃんと手入れして20年使ってね!
と言われました。もちろん20年履くつもりです。
もうすでに2度、底を張り替えましたが
毎回磨きながら使ってます。
日本よりもたくさん靴の修理屋さんがたくさんあって
革靴は貼り替えながら長く使ってる人も多いです。

マンハッタンは、徒歩の街なので靴の減りが早く
最近のスニーカーなんかは、
1年で履けなくなるのも多いですね。