前日の日記に、
フィリピンのチョコレートの朝がゆの話を載せた。
チョコレートのおかゆというのに衝撃を覚えたけれど
チョコ中毒の私としては、やっぱりどうしても食べてみたい。
「Mちゃんのママのレシピが知りたい!!」
と、
Mちゃんに頼んだら
特別な材料を送ってくれると言う。
近所に、フィリピン系の食料品店あるし、
探してくるからいいよー。
と、言ったのだけれど
Mちゃんは、
その食料品店には絶対にないから
と、言い張って
すぐに材料を郵便で送ってくれた。
ということで
昨日、Mちゃんが子供の時に食べたと言う
フィリピンのチョコレート粥
チャンポラード(champorado)を作ってみた。
送ってもらった材料というのがこれ。
タブレヤ(Tableya または Tablea)というもので
カカオ豆を挽いて、少々のお砂糖と一緒に固めた物である。
直径は500円玉くらいの大きさ。
しかーし。これは、ただのタブレヤではない。
Mちゃんのおばさまが
フィリピンの知り合いのカカオ豆農場で
最高のカカオ豆を選んでもらってきて
タブレヤ職人の人にタブレヤにしてもらい
アメリカまで年に2回運んでくるのだそうで。
お店に売っている市販のタブレヤよりも香りが高く
ピーナッツ等の混ぜ物が入っていないという
恐れ多い純正タブレヤなんである。
まず用意する物はふつーの餅米。1合で4杯分くらい食べられた。
それから、上記のタブレヤを砕いたもの。1合につき4つ入れた。
そして、塩少々。(これはヒマラヤの塩)
その他に必要な物は
水、コンデンスミルク、
そして、好みにより牛乳、砂糖である。
米がかなり水を吸うので、
水の分量は、3.5倍にしたけれど、
もっともっと多くてもいいかもしれない。
(Mちゃんのママのレシピでは
「水は好みに合わせて適当に」なのである。)
日本のおかゆの炊き方とは違い
最初に、一つまみの塩を入れた湯を沸かし、
そこに餅米を入れて
弱火で静かにかき混ぜながら20分煮るのが正しい煮方。
私は、横着なので圧力釜で6分煮て、蓋を開けた。
お米が煮上がったら
砕いたタブレヤを入れ、
弱火で、しっかり溶けるまでよく混ぜる。
甘〜いのが好きな人は、そこで砂糖を入れるのだけれど
後で、コンデンスミルクをかけて食べるので
砂糖は入れなくてもよい。
タブレヤがしっかりとけたら、お椀に盛りつけて、
コンデンスミルクをまわしかけて、出来上がり。
カカオの香りがとっても高くて
お米がもちもちしていて、
コンデンスミルクがよく合って
のたうちまわるほどうまうま!
暑いフィリピンでは、
このチャンポラードは、冷やしても食べるそうで。
キンキンに冷やすと、どちらかというとおはぎっぽくなって
おかゆ状態ではなくなるけれど
そこに牛乳をたっぷりかけて
コンデンスミルクをたらして食べると
素晴らしい夏のデザートに。
タブレヤが手に入らない場所では
タブレヤの代わりに、ココアパウダーを使ってもいいのだが
この味は出せないわよー。というMチャンの言葉に納得した。
ココアパウダーで代用する時には
お米1合に付き、大さじ6杯とか7杯とか
入れ過ぎなんではないか?という程入れるのがミソだそう。
(砂糖のたくさん入っていないものを使用すること。)
ココアパウダーではなくて、チョコレートを使用する時には
ダークチョコレートでなければならないとのこと。
ピーナッツの混ざっている市販のタブレヤは
ナッツ好きの人にはいいかもしれないけれど
私のチョコ中毒度を知っているMちゃんは、
濃い味が出ないので絶対に物足りない!と断言していた。
チャンポラードは、ツヨと呼ばれる
お魚の干物と一緒に食べる(←クリック)のが正式だそうで。
甘いおやつを食べた後に
塩辛いものが食べたくなるという気持ちはよくわかるので
そのうちツヨを探しに行って
ツヨ付きチャンポラードを試してみようと思っている。
フィリピンは、333年もスペインの植民地であったので
もともとあったアジアの文化に、スペインの文化や
同じくスペインの植民地であったメキシコの文化が
複雑に混ざり込んでいる。
植民地時代には色々悲しい歴史もあったようだけれど
チャンポラードは、そんな融合した文化の
小さなおいしいおまけなのであった。